imagination Series

MRI( Magnetic Resonance Imaging )とMRA ( Magnetic Resonance Angiography )によって自身の脳の原子信号の変化と脳の血管を測定し、それらをモチーフとして扱ったシリーズ。これらの作品は近いようで遠い、遠いようで近い、そんな思考の深層世界にも似た幾重ものレイヤーによる多層空間や事象が絡み合う広大無辺な内在空間が内包され、そこには枝分かれていくツリー状のシンプルな構造ではなく、複雑に絡み合うリゾーム状の構造が見え隠れします。そこには脳の「ゆらぎ」によって生まれる一瞬の閃きにも似たものが表出され、可視化されます。

 
脳の神経細胞はまるでインターネットや社会のネットワーク、宇宙の様子と酷似しています。人間としての小宇宙(ミクロコスモス)、環境としての大宇宙(マクロコスモス)の対概念は互いに照応しており、自然と人間が共存する世界、永遠の時間の中で生命が形作られ、誕生し、失われてゆく自然現象は流れるまま循環しており、やがてすべての事象へと繋がってゆきます。